唐津ぐい呑み
唐津ぐい呑みの魅力は、素朴な土の温もり、土の味わい。「陶工」の目指したものそれは、「用の美」

古唐津の魅力-陶片


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古唐津と贋物。

古唐津は古陶磁の中で、贋物の多い分野のひとつ。

古唐津はあらゆる古陶磁の中で、もっとも贋物の多い分野のひとつです。

  • ①特別難しい技法がなくても、同じ様な作品がつくれること。
  • ②絵付けや、釉など特殊な物はなく、容易に同じ様な物が、つくれること。
  • ③唐津の土と、似たような土が、容易に手に入り易いこと。
  • ④唐津焼の、種類や量が、豊富であること。
  • ⑤何より、唐津焼を、手に入れ様とする、需要が多いこと。

元来が精密な技術を伴わず、ごく普通の造形や絵付や釉法でできる”やきもの”で、しかも本物はきわめて人気が高く高価なため、贋物が作られやすいのです。

その贋物は次のような種類に分けられます。

古い贋物

明治~昭和前期に作られた贋物で、絵唐津の茶碗・朝鮮唐津の徳利・皮鯨や片口の盃・向付・花人・香合等の茶陶類が多く見られます。

いずれも小味な感じの作りで造形がぎこちなく、文人の手ひねりといった雰囲気がだしているように作っているのですが、わざとらしく「景色」をつくったりして不自然です。

絵唐津等は筆跡に伸びやかさがなく、硬い感じの絵付で見分けられるようです。
無理に小石を噛ませた「石はぜ唐津」などもよく見られます。

新しい贋物

斑唐津の盃・立ちぐい呑や、朝鮮唐津の徳利など、酒器に多く見られます。
フツ化水素等で表面を人工的に風化させているようです。

伝世品ではまず有り得ないような、古色を一切持たないようなものや、逆に発掘品には有り得ない全くの完品で風化したものなどは不自然です。

造形は以前の贋物よりも素直な感じで上手になっていますが、本物と比べるとその雰囲気を出そうとするあまり、より崩れただらしない造形のになるようです。

2度窯物

発掘品でカセ(風化)たりして状態のよくないもの、あるいは魅力のないものを再度窯に入れて状態を良くしたり、無地のものに後絵を入れて再度窯に入れ絵唐津とすることが多く見られます。

これらは本体は本物ですが表面状態が贋物でありますが、評価も贋物同様となります。

発掘品でありながら表面に全くカセが見られずアダ光りしていたり、複雑で不自然な色調を呈しているモノは注意を要します。
また表面のフリモノの上に鉄絵が描いてあったり、断面に釉薬が垂れていたり、カケやホツやニュウの上に釉が掛かっていたり、また小皿などでサギーウサギーエビなど人気の高い絵には後絵のものをよく見られます。

似た物

唐津写し自体が日本各地で作られているので、そうしたものを本物の唐津としてしまうことがあります。
京都で作られた京唐津は有名ですが、それ以外でも灰釉・鉄絵の唐津写しは各地にあります。

唐津写しではなくとも黒釉・白釉(斑釉)のものが黒唐津・朝鮮唐津・斑唐津などに紛れてしまうこともあります。

時に沖縄のもの、南方諸国のタイ、クメール、ミャンマーのものが間違えられることもあります。

ほとんどは一見して胎土が違います。

藤ノ川内窯のつやのある赤褐色土によく似た黒釉物は、南方にも多くありますが、黒唐津に紛れていることもあります。

そうした場合、造形の違いを見て取らなければなりません。

全体的にいえば、贋物は土見せ・チリメンじわ・片薄高台(三日月高台)・石はぜ等、後代考えられた古唐津の「約束」に合致したものが多く見られます。

本物はその様な「約束」を意識していないので、必ずしもそれらの「約束事」を守っていません。
意識的に見えるチリメンじわや片薄高台などはかえって注意すべきです。


詳しくは、日本人の感性のページへ

育つやきもののページへ

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古唐津陶片のにせもの

陶片にも贋物がある

古唐津-陶片陶片には当然「発掘された」というイメージがありますが、それは必らず本物(ホンモノ)であろうというイメージにつながっています。

ところが陶片にも贋物が見られます。
特にここ十年程、古唐津陶片の贋物は市場に多く出回っています。

贋物陶片は大きく分けてまったくの現代製を割ったものと、古い無地の発掘陶片に後絵したものの二種類があります。

本物(ホンモノ)と誤認されるのは主として後者です。
無地の皿鉢でも、完形なら評価されるが、陶片では無理なので絵唐津に仕立てるのであると思います。

無地の発掘陶片の火皿・火鉢の見込部分や中皿・小皿また茶碗などを用いて、鉄絵を新たに施し再度窯に入れたようなものは、釉が高温によって溶けなおしていて、あたかも当初からの鉄絵のように見えます。

高台回りの土見せ部分も艶が出るとか焼直した感じがほとんどなく、それぞれ古唐津オリジナルの土昧を保っているので、本当に発掘されたままのように見えるのです。

まったくの新しい贋物にありかちな没個性的な土味や全体の造形、わざとらしい、あるいはぎこちない高台回りが見られず、オリジナルの造形・土昧を保っているので本物(ホンモノ)に見えるのは当然です。

さらに鉄絵も当初から釉の下にあるように見え、あるいは器面に食い込むようなものもありますが、これらも当然オリジナルの絵だと見間違える要素となっています。

ただし、よく見ると周囲の割れた断面の所の釉が溶けて、かすかに丸みを帯びていたり、ほとんどが発掘陶片特有のカセ(風化)がどこにも見られず、またガリガリと刃物でこすらなくては取れないような土鋳も付着していないのが普通です。

面白いのは陶片の断面間際から発した筆の線を多く見ることで、通常のように完形に描きこんだ絵と違い、その断面に合わせてそこから絵を描くからです。
これは無意識的に発掘陶片の形を画面として描くか、あるいは描線を断面から飛び出すように描き出すと断面横にわずかに鉄釉がにじむのでこれを避けたものであると思います。

絵はたいていは一般の絵唐津のような伸びやかさが無く、また海老や兎(ウサギ)など人気のあるものが多いようです。


参考文献:「骨董市へ行こう!」淡交ムックゆうシリーズ(淡交社)骨董入門20(真贋の落とし穴)

古唐津の評価

贋作が世の中に出る下地

古唐津と呼ばれているのは、唐津焼創業期と思われる室町時代末期から江戸初期に至る数十年間に焼かれた唐津焼で、その範囲は佐賀県内の唐津市北波多村・松浦・伊万里・有田・武雄・長崎県の平戸などに存在した古窯の生産品のことを呼んでいます。


古唐津の後、後期唐津と呼ばれるものや献上唐津などがその後を引き継いですいますが、これらは作風や用途が変化して全く異なる雰囲気を持っています。


古唐津はその圧倒的な数にも関わらず、江戸初期までの短い期間に花開き、すぐに姿を消した”やきもの”なのです。


時代が下がって文化文政ころには茶碗をはじめとする古唐津への見直しが盛んになりましたが、古唐津の作陶はすでに終わっていたので愛好家に古唐津は品薄状態となりました。


古唐津を焼いた窯址での発掘か増え、これらはいわゆる掘り出し手・掘出唐津として珍重されることとなりました。


堀出しの名称は、欠損したものを、陶工が不用として土中に埋めたのを、後世になって堀出したことによるものだそうです。

埋められない全備のものも、同種のものもみな堀出しと称されたようです。


同じ意味合いかで、別の言い方を掘り出した物を発掘品、完成品で伝わってきた物を伝世品、昔掘り出されそのまま伝わってきた物を発掘伝世品と古美術界では言っているようです。


小ぶりの飯茶碗類が多く、発掘されてからの使用によって伝世風に育っているので現代の発掘品とはその趣かだいぶ違って見えます。


これらはり中途伝世品として伝世品に次ぐ評価が与えられているようです。


現在、唐津を焼いた地方に優れた伝世品があまり見られないのは、そのころの窯跡発掘ブームの中で当然地元の伝世品が探し出され、京・大坂、また江戸などに移っていったためではないでしょうか。


その頃の掘り出し唐津の中心は茶碗で、その当時流行った引き締まった小ぶりの茶碗への嗜好(しこう)がちょうど古唐津の雑器の飯茶碗に合致したためと思われます。


平成の現代においても、古唐津の人気は衰えるところを知りませんが、これは茶陶また見立ての茶陶などに限らず、とにかく古唐津ならば何でもという状況が感じられます。


奥高麗茶碗に始まった古唐津の高い評価は、現代では従来軽んじられてきた山盃から陶片にまで至っているように思います。


このような背景があるからこそ、古唐津の贋作がでてくるのではないでしょうか。

古唐津-茶碗

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使っていると酒器はだんだんとその表情を変えていきます。
これも酒好き、酒器好きの楽しみの一つですね。

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粉青沙器(粉粧灰青沙器)

唐津ぐい呑み-粉青沙器(粉粧灰青沙器)唐津ぐい呑み-粉青沙器(粉粧灰青沙器)
粉青沙器は印花文・象嵌文が先に発達し、剥地文・彫花文・鉄画文・刷毛文・粉粧文など白上粉粧の変化によって種類も多様になりました。

こうした粉青沙器は十五世紀初期すでに器形・文様・釉薬などから粉青沙器としての特徴を表わし始め、印花文・象嵌文・剥地文・彫花文系は世宗から世祖代まで、鉄画文・刷毛文・粉粧文系は成宗代まで殆んどその完成を見るに至ったのです。

粉青沙器の特質は、種々の粉粧法からくる力強くも、新鮮潤達な、そして自由奔放な粧飾意匠ですね。

唐津の源流ともいえる李朝の世界へ